宝くじ当たらないからくりは2つある|2,128回の当選口数を数えて分かったこと

買い続けているのに当たらない。からくりがあるのではないか。そう思って調べた方が読んでいると思います。
私も同じことを考えて、みずほ銀行が公表している当選口数を第1回から第2128回まで全部数えました。からくりは2つありました。1つは確率と還元率で、これはどのサイトにも書いてあります。もう1つは当たったあとに起きるもので、私が調べた限りどこにも書かれていませんでした。
宝くじが当たらないからくりは、だいたい世間の言うとおりでした
まず、よく語られているほうから確かめます。
ロト6の1等は1/6,096,454です。43個の中から6個を選ぶ組み合わせが609万6,454通りしかないので、そのうちのたった1通りを引き当てる勘定になります。
とはいえ609万通りと言われても、ぴんとこないと思います。私もこの数字を眺めているうちに、途中で数の意味を見失いました。
日本の世帯数はおよそ5,500万です。全世帯が申し合わせて1口ずつ買い、しかも誰ひとり数字が重ならなかったとして、当たるのは9世帯。町内会に1人もいない計算になります。
ここまで書いてもまだ遠い。数が大きくなりすぎると、人の頭はそこで止まってしまうのだと思います。だから私は確率を追うのをやめて、実際に何人が当てたのかという数え方に切り替えました。あとで書きますが、この切り替えが結局いちばん効きました。
還元率のほうも自分で計算しています。ただ販売実績が公表されていないため、5等の口数から販売口数を逆算するしかありません。その前提で出した第1回から第2128回までの平均は、およそ45%でした。
200円で1口買って、平均90円ほどが戻る勘定です。残りの半分以上は当せん金にならず、自治体の財源と経費へ流れます。公表されている仕組みなので、隠されているわけでもありません。
関係者しか当たらないのか。1等の口数を2,128回ぶん数えました
もっとよく見かけるのは、こちらの疑いだと思います。関係者しか当たらないのではないか。当選者は実在するのか。
私も疑っていました。5年買って当たるのは5等ばかりで、しかも毎回きっちり1人か2人しか1等が出ない。判で押したように同じ結果が並ぶのを見ていると、作為がないほうがおかしいと正直なところ思っていました。
そこで第1回から第2128回までの当選口数を、端から端まで数えることにしました。5等の口数からその回の販売口数を逆算してやれば、1等が理論上は何人出るはずだったのかを机の上で出せると気づいたからです。
実際に数えた結果
推定販売口数の平均は1,148万口でした。組み合わせ総数の609万6,454で割ると1.88人になります。
実際の1等口数の平均は1.90人でした。
誤差は0.02人です。
合っていました。正直、拍子抜けしました。
何日もかけて数えた末に出てきた答えが、毎回1人か2人しか出ないのは割り算がそうなっているだけ、というただの算数だったわけです。しばらく画面を見たまま動けませんでした。
内訳も見ておきます。2,128回のうち605回は、当てた人が一人もいません。全体の28.4%です。1人だった回が588回、2人だった回が411回で、0人から2人までで全体の75%を占めます。
その一方で、167人が分け合った回もありました。同じくじとは思えない振れ幅です。
もし裏で当たりを調整している人がいるなら、誰も当たらない回を605回も作る理由がありません。損をするのは胴元のほうです。
不正はありませんでした。ただ、私はここで安心できませんでした。不正がないということは、誰も損を埋めてくれないということでもあるからです。文句を言う相手がどこにもいない。
2つ目のからくりは、宝くじが当たったあとに起きます
数えている途中で、思いがけないものが顔を出しました。
ロト6の当せん金は、回ごとに大きさの決まった鍋のようなものです。中身は抽せんの前に決まっていて、その鍋へ手を伸ばした人数で頭割りする。つまり同じ1等でも、受け取る額はその回に何人が同じ数字を書いたかで丸ごと変わってしまいます。
同じ1等で、これだけ違いました
第1181回。当てた人は2人でした。1口あたり5億8,918万円。
第230回。当てた人は167人でした。1口あたり181万円。
どちらもキャリーオーバーなしの1等です。差は325倍ありました。
当てた難しさは同じです。
どちらの回の当選者も同じ609万分の1をくぐり抜けたわけで、そこに腕の差も運の差もありません。分かれ道は、同じ数字を書いた人が何人いたか。それだけでした。
2,128回の中央値は1億2,134万円です。167人は極端な例ですが、10人以上で分け合うことになった回は数えてみるといくつもありました。
確率の話は誰にも動かせません。還元率も動かせません。手が届くのは、鍋に何人が手を伸ばすかという一点だけです。
攻略法どおりに選ぶと、混む側に入ります
では、どういう形が混むのか。1等の口数を数字の形から説明できるのかを調べました。
結果は私の想像とまるで逆でした。
数字を全体に散らす。連番を避ける。下一桁が重ならないようにする。この、どの攻略本にも載っている選び方をした形ほど、当選したときの口数が多くなっていたのです。
非常口の表示に似ていると思います。案内どおりに動くのは正しい。ただ全員が同じ矢印を追うので、その階段がいちばん詰まる。攻略法が広まるほど、そこは混みます。
ついでに的中のほうも検定にかけましたが、こちらは何も出ませんでした。六曜も九星も、直近の出現回数も、偶数と奇数の比率も、どう組み合わせても当選番号の出方には響きません。効いていたのは数字の出方ではなく、人の選び方のほうだけでした。
誕生日で組んだ数字も同じです。1から31までに収まるので、43ある席のうち前31列にしか座らないことになる。後ろの12列はいつもがら空きです。32から43までを1個も入れない組み合わせは、それだけで混む側へ寄っていました。
ではクイックピックはどうか。機械が選ぶのだから偏らないはずだと私も思っていましたが、出てきた数字を採点すると平均はきっかり真ん中でした。避けてはくれるが、寄せてもくれない。
その差は本当にあるのか、見ていない639回で確かめました
選んだ数字の形で口数が変わる。これは言うだけなら誰でもできますし、過去のデータに合わせただけではないかと自分でも疑いました。そこで期間を真っ二つに割って確かめることにしたのです。
前半の第1回から第1489回までだけで計算式を組み、後半の639回は一度も見ません。そのうえで後半の各回が混みやすい形だったのかを、式のほうに当てさせました。答え合わせは後回しです。
見ていない639回での結果
混みにくいと予測した下位25%の回では、実際の1等口数が期待値の0.69倍でした。
混みやすいと予測した上位25%の回では1.26倍。
両者の差は1.82倍です。
当てた場合の取り分が、それだけ変わる勘定になります。1.82倍という数字は地味に見えますが、5億が2億7千万に痩せると考えれば小さくありません。
2等でも同じことをしました。こちらは1.15倍で、1等ほどはっきりした差ではありませんが向きは同じです。
意外だったのは、1等と2等では混みにくい形が逆を向いていたことでした。連続した数字を含む形は1等では分けにくく出るのに、2等では分けやすいほうへ振れます。誕生日の範囲に収まる個数も裏返しでした。片方を避ければもう片方が混む。板挟みなので、両方を同時に見るしかありません。
この物差しで自分の数字も選び直しました。
作った本人の結果
選び方を変えて半年ほどで2等が来ました。第2088回です。
7人で分けて1口78万円。
金額そのものは1等の話とは比べものになりません。ただ同じ数字を書いた人が7人しかいなかった。同じ回に30人いれば18万円でした。
狙っていたのはまさにそこだったので、金額を見たときより口数を確かめたときのほうが手が震えました。自分の中では、それで答えが出たと思っています。
まとめ|宝くじが当たらないからくりは2つある
宝くじが当たらないからくりは、2つありました。
1つ目は確率と還元率です。609万分の1で、戻ってくるのは推定でおよそ45%。これは公表されている仕組みで、誰にも動かせません。
2つ目は分配です。当てたあとに、同じ数字を書いた人数で頭割りされる。同じ1等でありながら325倍の開きがついていました。
不正はありませんでした。理論値1.88人に対して実測1.90人。自分の手で数えて確かめています。ただ不正がないということは、誰も損を埋めてくれないということでもあります。
手が届くのは2つ目だけです。
私はそこだけを見て数字を選び直し、半年で2等が来ました。7人で分けて78万円です。







